高木善之さんの「オーケストラ指揮法」から紹介します。
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あなたは、どんなことも受け止められますか。
「どんなことも受け止められる」か、「受け止められないこともある」か、
どちらでしょう。
もし、「受け止められないこともある」と思っているなら、
そこを改めると人生観が変わりますよ。

本当は、どんなことでも、「受け止める」ことは可能です。
どんなことを言われても、「そうですか」「なるほど」
「そう思ったんですね」とリピートすればいいのです。
ただ、それだけでトラブルは起こらなくなるのです。
腹を立てたり、悩んだりすることもほとんどなくなります。

あなたが、「受け入れる」ことはできないと思っていたことは、
「受け止める」ことと勘違いしていませんか。

「受け止める」と「受け入れる」は意味が違うのです。
「受け止める」は、英語ではレシーブ、キャッチするということです。
「受け入れる」は、英語ではアグリー(同意する)、コミット(認める)
ということです。
意味が大きく違うのです。

「受け入れる」は「認める」ことです。
身に覚えのないこと、事実でないことは「受け入れる」必要はありません。
一方、「受け止める」ことは、相手の気持ちを受け止めることです。
「ああ、そうですか」「そうだったんですか」「それは大変でしたね」
などと、「受け止める」しかないのです。
「受け止めない」ことによって、問題が起こるのです。
いままで、「そんなこと受け止められない」と思っていたことは、
「受け入れられない」ということだったのです。
そして、理不尽なことは「受け入れる」必要はないのです。
しかし、理不尽なことも「受け止める」ことは必要なのです。
「受け止める」は、問題解決の第一歩なのです。

どんなことも「受け止める」ことはできます。
しかし、「受け入れる」かどうかは別の問題です。
「受け止める」と「受け入れる」の幅(はば)が、ふところの深さです。
それを、「自分と意見が違う」「自分の思いと違う」「自分の解釈と違う」
と反論してしまうのは、とてもおかしなことです。

「これは私と違う」「あれは私と違う」という態度は、
とても自己中心的で、わがままな考え方なのです。
子どもが駄々をこねているようなものです。

どんなことも「ああ、そうですか」「あなたの気持ち、わかりました」
と受け止めればいいのです。
その上で、自分の気持ちを述べればいいのです。
「受け止める」は、息をするくらいかんたんなことなのです。
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「受け止める」ことができるようになると、人生が変わるような気がします。
まだまだ修行は続きます。