志賀内泰弘さんのギブ&ギブメルマガから紹介します。
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一宮市の服部修寛さん(63)がまだ独身だったころの父光孝さんの思い出話。
ある日、家族で名古屋の中華料理店に出掛け、支払いを済ませて車に乗り込んだ。
もうすぐ家に着くというところで、光孝さんが突然「店に引き返せ」と大声で言った。
「注文した料理の合計と支払った金額が合わない。支払ったのが500円安かった」とのこと。
50年も珠算の先生をしているので間違いないと思われた。
修寛さんは「もう閉店しているから、明日、仕事の帰りに不足分を支払ってくるよ」と言い、そのまま帰宅した。
翌日の昼すぎ。修寛さんの職場に光孝さんから電話が入った。
「何だか悪いことをしたような気になり、一睡もできなかったので、朝一番で店まで行って支払ってきたから、行かなくてもいい」との連絡だった。
聞けば、往復7000円のタクシー代をかけたのだという。
「なんてばかな。そして、なんて素晴らしい父親だろう」と尊敬した。
その光孝さんが6年前に亡くなった。
遺言には「残したお金はすべて恵まれない人に寄付すること。
香典は受け取らないこと。そして、自宅は人のために役立てること」とあり、
修寛さんはその通りに実行した。
父親の住んでいた家は、今、ホームレスのための共同生活施設として提供している。
「呼吸と同じで、お金も物も出さないと入って来ません。
何かいただき物があると、必ず周りの人に差し上げるようにしています。
すると、それ以上のものが返ってきます。わらしべ長者のように。
人は一人では生きていけません。「おかげさま」の心を父親から学びました」と修寛さんは話す。
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皆さん、ご両親からいろいろなことを学んでいると思います。

あなたは何を学びましたか。
今は思い出せていなくても、また、ふっと思い出すかもしれないですよ。